愛しさで星は廻る

煌めくトンチキな世界線、ジャニーズ。

逆説とジャニーズWEST

ジャニーズWESTの強みは歌である。

 

他にも優れた部分は山ほどあるのだが、今回はここにスポットライトを当てたい。

近年、彼らは「歌」に力をより入れたパフォーマンスを行うことが多い。いつか、誰かが(神ちゃんだっけ…?)7人全員がバンドのメインボーカルのようなグループと言っていた。実際にシングルでは、2020年6月の「証拠」から「週刊うまくいく曜日」「サムシング・ニュー」ダブルA面ではあるが「でっかい愛」と規定のダンスがなくメンバーが歌の世界観をそのまま体現できるスタイルが続いている。歌に定評のあるメンバーが多く、歌がうまくてうまいから…というファン的思考は割愛。

 

そのまた昔、ジャニーズが世間に受けた理由は「歌って踊る」という特徴にあった。それまで誰もやらなかったこのパフォーマンスが、人々の心を捉えたのである。そして「歌う+ダンス⇒ジャニーズ」の方程式は形作られたのだ。

 

この方程式は何十年と引き継がれる伝統であるとともに、現在はさらに何か色を加えなければならなくなった。これは、ジャニーズグループの増加という事務所の発展と世間にこの方程式が一般化したためである。なにも悪いわけではないのだが、「歌って踊る」はジャニーズの特許ではなくなったのだ。昨今様々なタレントがアイドルと名乗るようになり、その多くが「歌って踊る」スタイルである。ジャニーズグループが生き残るには、更なるスキルが必要となったと言えるだろう。

 

そこで、ジャニーズWESTが武器としたのが「歌」である。

アイドル戦国時代の世では、むしろ「歌」一つに特化したシンプルなスタイルが際立つ。彼らは7年かけ新たな武器と出会ったというより、元々持っていたスキルを磨き7年の経験から取捨選択をしたのだろう。逆説の産物である。

きっと、彼らは大人から与えられたものでなく彼ら自身が掴んだ武器をすでに持っていたのだ。7人になった時点で。

ただその時その剣は少しばかり切れ味が悪いもので。7年という歳月を経た今だからこそ、まぶしいほどに輝いて見えるのではないだろうか。

 

 時代の変化とジャニーズ事務所の勢力拡大は、「ジャニーズ」という一つの固定概念を生み出した。それは、「歌って踊る」のように他のタレントと一線を画す特徴をいくつ持つ「アイドル」という職業である。これが広まると逆説が生まれ始めた。「”ジャニーズ”なのに○○」という言い方だ。

「”ジャニーズ”なのに踊らない」

これが今現在、WESTが掲げるスタイルである。

実際は、もちろんダンス捨てたわけじゃないですよ!!濱ちゃん神ちゃんは、アクロバットを今でもしてくれるし、ジャニーズWESTまだまだバリバリで踊れる!オタクとしては、踊れるうちにガンガン踊っていて欲しい……

お暇があればこちらでも見てください。


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人間、辛いものを食べたら甘いものが恋しくなるもの。だから、「ジャニーズぽい」グループを見ていたら「ジャニーズぽくない」グループが気になる。そして、また、ジャニーズらしさを求めだす。

デビュー順をさかのぼると

 

2021    なにわ男子

(現時点ではデビュー前ですが、大倉氏が後ろ盾ですし方向性はこのままでしょう)

2020    SixTONES     Snow Man

2018    King&Prince

2014    ジャニーズWEST

2012    A.B.C-Z

2011    Sexy Zone

            Kis-My-Ft2

2007 Hey!Say!Jump

 

となり、所謂王道キラキラ系アイドルグループとそうでないグループ(失礼極まりないが)が交互にデビューしているんですよね。何をもってジャニーズ王道なのかというのも、一概に言えるものでもないのですが、ここでは一般的な社会の見解を想定しています。ファンからは違うかもしれませんが…

個人的にはスノがK-pop、ストが洋楽のイメージです。Theジャニーズとはジャンルが少し異なるように思います。WESTは、まぁ本人たちも言うように王道ではない。トンチキ路線を踏襲してる点では、ジャニーズぽいのではあるけれど。エビとキスマイは、あまり分かりません…ただやはりキラキラアイドルで推されてた時期があったようには思えなくて…(違ってたら申し訳ない)

 

我らがジャニーはどこまで意図していたのかは不明ですし、ジャニーがキラキラアイドルを育てる期間が社会の流れと比例していたのか、実情は分かりません。ただ、順接があるからこそ逆説的グループが生まれたとは言えるのではないでしょうか。